福島大学
木下ちがやさんが「市民社会のディストピア」という論文で、こんなことを書いています。
http://jfissures.wordpress.com/2011/04/09/dystopia-of-civil-society/
福島市は福島第一原発から60キロ圏内にあり、すでに基準値を超える放射能が検出されている。ここにある国立大学福島大学はいま、5月はじめから授業開始するいう暴挙をやろうとしている。学長は自己啓発めいた声明を出し、大学執行部は一部の教員の異議申し立てを聞くどころか、県外に非難した教員を「非国民」扱いしている。そして学生に対しては、政府から自宅待機の命令が出た場合には、「自分の判断で大学から帰宅するように」という無責任な対応に終始しているのである。いうまでもなく、授業の開始は教員のみならず5000人の学生達の行動を縛り付けることになる。大学側は、学生の命や健康には関心はなく、文部省の指導に従い「日常業務」をせっせとこなそうとしているのだ。
びっくりだ。 いま、福島の大学で授業をはじめるなんて殺人的なんじゃないの?
ホームページをみたら、学長メッセージが載っていたので引用しておきますね。
−−−−−−−−−−−−−
福島大学緊急連絡HP(2011年3月25日 17:20掲載)
学長メッセージ(在学生、入試合格者ならびに保護者の皆様へ)
福島大学長
このたびの東北地方太平洋沖地震により被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。被害を受けられた皆様の生活が1日も早く平穏に復することをお祈り申し上げるとともに、本学としても復旧及び地域支援に総力を尽くしてまいります。
福島大学では、震災後直ちに、学生・院生・留学生・教職員の安否確認を開始し、3 月24日には構成員全員の無事を確認いたしました。また、建物にも大きな損傷は無く、現在は、卒業する皆さんや在学生、そしてこれから本学に入ってくるみなさんのため、やらなければならない業務に全力を挙げて取り組んでいます。
中でも,地震や津波の被害を受けた方々には、福島大学で充実した学生生活を送れるよう、学生生活支援の具体策を検討しております。授業料の減免等の経済的な支援のみにとどまらず、精神的な面でも大学として可能な限りの救援と支援の手を差し伸べてまいります。
また,震災に加えて原発事故の影響により,福島大学では、現在自然放射能値より高い値が観測されていますが,3月15日以降明瞭に減衰しており,開校までにはさらに1/30 程度に減衰し,全く問題なく,安全に皆さまを迎えることができるものと考えております。
大学は学問の府であり、科学の砦です。非科学的な憶測や風評に惑わされることなく、学生のみなさんの安全と安心を確保しつつ、教育・研究の環境を整えて皆さんをお迎えしたいと思います。
史上最大の災害を克服していくために、福島大学としてできることを全て実施して、構成員が一体となり総力を挙げて対応する覚悟です。皆様のご理解とご協力をお願いします。
−−−−−−−−−−−−
福島大学緊急連絡HP(2011年3月31日 15:00掲載)
20110331
新入生・在学生への呼びかけ
福島大学長
東北地方太平洋沖地震で被災された皆様並びに原子力発電所の事故により避難を余儀なくされた皆様に,心よりお見舞い申し上げます。また,このような困難な状況においても,ボランティア活動や地域支援活動を積極的に行っている福島大学生に対し心よりお礼申し上げます。
さて,新学期を迎えるに当たって,入学式・ガイダンスは5月9日〜11日に実施することを決定しました。その間,休講にせざるを得ないことを大変残念に思いますが,ピンチをチャンスに置き換え,ぜひこの期間を有効に活用していただきたいと思います。
学生諸君の中には,すでに避難所でボランティア活動をしたり,同級生とともに街頭募金をしたり,子どもたちの学習支援等に励んでいる方がいます。多くの学生が過酷な状況で支援活動を実施していることを大変うれしく,さすが福島大学の学生だと誇りに思っています。
学生諸君におかれましては,5月9日の入学式までの間,座学では得られない大きな社会勉強ができる良い機会ととらえ,積極的にボランティア活動や地域支援活動に励んでいただきたいと思います。そうした活動で得られた経験は,必ずや今後の大学生活に生かされると思います。自分は何ができるだろうかと思い悩む前に,近くの避難所や復興窓口に出かけてみてください。そして、実際に行動してください。きっと価値あるものが見つかると思います。
最後に,私の好きなことばを紹介し,学生諸君への呼びかけのことばといたします。
「意識が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば性格が変わる。性格が変われば人生が変わる。」