シンポジウムのお知らせ

今週末、早稲田大学で以下のようなシンポジウムがあるようです。
お時間のあるかたはぜひということで。

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早稲田大学政治経済学部創設130周年記念シンポジウム

いま、大学で何を学ぶか、何を教えるか −21世紀のリベラルアーツを考える−

開催日時:2012年11月10日(土)10時00分‐17時30分
開催場所:早稲田大学小野記念講堂(早稲田キャンパス27号館地下2階)
http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html

主催:早稲田大学政治経済学術院 共催:早稻田大學政治經濟學會

登録不要、参加費無料

趣旨
「いま、大学で何を学ぶか、何を教えるか」という問いは、学ぶ者と教える者はどのようにして出会うのかという問いを招きます。するとそれは「いま」を離れて、ソクラテスによるソフィスト批判や、12世紀末のボローニャに集った学生たちの要求や、近代のベルリン大学の教師たちの「学問の自由」をめぐる思索とも関わることになるでしょう。古代ローマに成立したリベラルアーツは、一方で人間を隷属から解放するための方法、他方で自由な人間のたしなみという、二つの意味をはらみながら現代にまで続いています。

大学設置基準の大綱化(1991)や国公立大学の法人化(2004)によって、日本の大学は大きく変化しました。また昨年3月の東日本大震災とその後の福島原発事故は、エリートや専門家への信頼ばかりでなく、彼らを養成した大学への信頼をも揺るがせています。文部科学省は大学間競争を促しながら、グローバルな高等教育市場でも生き残れるような大学を創り出そうとしていますが、いま多くの大学は深いアイデンティティーの危機のなかにいるのです。

私たちは学部創立130周年という機会に、リベラルアーツという古くからの伝統をどのように担うのかという問いを立てました。この問いに正解があるとは思いません。しかしそこで迷うことなしに、未来の大学を語ることはできないでしょう。科学、学問、技術の絶えまない進化のなかで、大学はつねに迷いのなかにいましたし、それはこれからも変わらないはずだからです。そしてこの大学の迷いは、就職を前にした学生の戸惑いや、ディシプリンを超えて語るときの教員の不安とも、じつは深いところでつながっています。歴史を踏まえつつ、また国や地域ごとの多様性にも目を配りつつ、21世紀のリベラルアーツについてみなさんとともに考えたいと思います。

プログラム

午前の部(10時00分‐12時15分) 司会 ソジエ内田恵美(早稲田大学政治経済学部教授)


学部長挨拶

趣旨説明 長與進(早稲田大学政治経済学部教授)

問題提起を含めた基調講演(25分×4)

1. 知識基盤社会における大学とリベラルアーツ 長谷川眞理子総合研究大学院大学先導科学研究科教授)

2. 大学教育の質的転換をめざして 池田貴城(文部科学省高等教育局大学振興課長)

3. グローバル人材の育成を急げ 井上洋(日本経済団体連合会社会広報本部長)
4. 棟梁の材の教養教育はいかにあるべきか 平川祐弘東京大学名誉教授)



午後の部(1時30分‐5時30分)司会 室井禎之(早稲田大学政治経済学部教授)


午前への応答を含めた提言(20分×5)

1. 「条件なき大学」のリベラルアーツ 岡山茂(早稲田大学政治経済学部教授)
2. 近代的学知と大学の理念の境界に立って考えるリベラルアーツ 佐藤正志(早稲田大学政治経済学部教授)
3. プラトンアカデメイア」の理念から考える 納富信留慶応義塾大学文学部教授)

4. リベラルアーツ教育の遍歴:アメリカの場合 マーク・ジュエル(早稲田大学政治経済学部教授)
5. 4年間の公開セミナーから見えてきたこと 原武史明治学院大学国際学部教授)


討論(3時30分‐5時20分)

閉会の挨拶 田中愛治(早稲田大学教務部門総括理事)